建築
企画













“みんなでつくる”をかたちにした、新しい本屋のあり方
「自分たちの手で、新しい本屋をつくりたい。」
そんな一言から始まったのが、ブックカフェ「もりねき書店」のプロジェクトである。
本プロジェクトの依頼主は、morinekiエリアの企画運営を担う「もりねき企画」代表の竹中雄一氏。2021年3月、公民連携によって整備されたmorinekiは、広場やレストラン、ベーカリー、ライフスタイルショップが点在する場所であり、そこに“地域の知”が集まる本屋を加えることで、より豊かな地域の魅力づくりを目指した事業である。
竹中氏の「すべてを業者任せにせず、学生や地域の人と一緒に、時間をかけてつくっていきたい」という想いに共感し、私たちは一般社団法人baamu lab.と連携してDIYディレクションを担当。現場での協働を前提に、企画から設計、施工までを一貫して関わる体制でプロジェクトが始動した。
対象となった建物は、10年以上空き家となっていた鉄骨造の2階建。南北の道路に挟まれ、1階と2階それぞれに出入り口があるユニークな構造を持つ。本プロジェクトでは、その2階部分を活用し、カフェを併設した本屋へと再生することを目指した。
デザインの提案を担ったのは、弊社が連携する学生団体「あきばこ家」。彼らは地域の歴史やまちの雰囲気、竹中氏の想いを丁寧に読み取りながら、店舗全体のデザインやインテリアの提案を行った。3度にわたる打ち合わせを経て、地域の方々も交えたプレゼンテーションが実施され、完成プランが決定。その後、弊社にて施工図面の作成や業者手配、材料費の積算などを行い、いよいよ現場での“ものづくり”がスタートした。
解体から仕上げまで、多くの人の手によって店がかたちづくられていった。竹中氏、物件オーナー、学生メンバーに加え、四條畷高校の生徒や教員、大阪産業大学の学生、近隣住民や地域の子どもたちも巻き込みながら、DIYによる店舗づくりが進められた。施工協力として伊吹建築板金の伊吹氏も参加し、地域をあげたプロジェクトとなった。
家具づくりにも地域の力が活きている。大東市に工房を構える一志家具工房の協力のもと、本棚づくりワークショップを開催。もりねき書店のファサードや電源付きテーブルも一志家具が手がけており、木の温もりが随所に宿る空間となった。
そして2022年10月14日、もりねき書店は無事にオープン。当初からDIYに参加していた四條畷高校の生徒や、設計に関わった学生がスタッフとして運営にも加わり、「もりねき学生部」というコミュニティも誕生した。ただ本を売るだけの場所ではなく、地域と若者が出会い、関わり続ける起点としての本屋がこうして生まれた。
「みんなでつくる新しい本屋」は、まちにとっても、次世代にとっても、未来の“まちの関わり方”を問い直す場となっている。
※現在のもりねき書店については下記参照
所在地 大東市
用途 ブックカフェ・インキュベーション施設
企画 DIYサポート・イベント企画
クライアント もりねき企画
協力 伊吹建築板金・一志家具工房
期間 2023年7月〜10月
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