企画






本プロジェクトは、東大阪・布施の静かな通りに佇む2階建ての空き家と、隣接する使われていない空き地を舞台に、「空き家の魅力をどのように伝えられるか?」を探る社会実験的な取り組みとして始まった。
物件は、大通りから一本入った落ち着いた場所にあり、所有者のこだわりが随所に感じられる高級感ある建物。しかし、長らく使われず空き家のまま時間が過ぎていた。駐車場スペースも手つかずのまま空き地状態となっており、活用の糸口が見えないまま課題だけが積み重なっていた。
そんな中で立ち上がったのが、「良縁珈琲 × 合同会社フーシャ」によるチーム「ひととき」。地域で活動するカフェや企業、若者たちが緩やかにつながり合いながら、「空き家の価値を伝える」ことに挑戦するプロジェクトが始動した。
2022年5月から10月にかけて少しずつ準備を重ね、メインイベントとして開催されたのが、空き地を活用した「ひとときマルシェ」。地元の飲食店や雑貨店、クリエイターが小さなブースを出店し、普段は通り過ぎるだけの道が、温かな賑わいをもつ“まちの広場”へと生まれ変わった。
空き家内部では、近畿大学建築サークル「あきばこ家」の学生たちが活躍。彼らが考案した活用アイデアの展示や建物見学会を通じて、来場者が空き家の未来を「想像できる」空間が用意された。実際に見学した出店者から「ここでお店を開けたら面白そう」といった声があがるなど、リアルな興味や共感が芽生えていた。
所有者にとっても、イベントと見学会をセットで実施するアプローチは新鮮で、「ただ売るのではなく、まちの誰かにつながる未来を感じられた」と、活用への前向きな気持ちが芽生えるきっかけとなった。
今回のプロジェクトは、実際の改修には至らなかったものの、「空き家を見せる・伝える・想像してもらう」というプロセスを地域と共につくることができた点で、大きな意義を持つ第一歩となった。
今後も、「場に関心を持ってもらうきっかけづくり」を通して、空き家や空き地の活用に新たな選択肢を生み出していきたい。所有者・地域・担い手がつながる場づくりの実践は、これからも続いていく。
所在地 東大阪市荒川
企画 空き家空き地活用・イベント企画
共催 良縁珈琲
期間 2022年5月〜10月
写真 芳村良宜
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